
張力とは、ピンと張ったロープなどが及ぼす力のことですが、以外と理解が難しい力の一つです。特に滑車が絡むと、張力がどのように働くのかは混乱の元となります。今回はグラフを通して張力を正確に理解しましょう!
天井からボールがロープで吊るされている状況を考えます。
ここで、ロープをそのまま考えるのは難しいので、下のグラフのようにロープをいくつかの部分に分割して考えます。
ピンと張ったロープは、これらの分割した部分が同じ力(=張力)で引き合っています!
例えばこのロープの張力が のとき、下の図の紫の部分は赤の部分に下向きに 、水色の部分に上向きに の力を与えます。
これが正確な張力の理解ですが、ロープ全体をまとめて考えると、張力のほとんどは相殺し合います。グラフ下の 相殺する力 というスイッチをオフにしてみてください。
このように相殺し合う力を除くと、端の2つの力のみが残ります。これら2つの力はロープ以外の物に与える力であるため、相殺されません。上の赤い力は天井を引っ張る力、下の緑色の力はボールを引っ張る力です。
つまり、実際に張力を考えるときは端が引っ張る2力だけを考えれば良いということです!もちろん、この2つの力の大きさは等しいです。
滑車が関わる場合は注意が必要です。これから解説します。
では次に滑車にロープが及ぼす力を考えます。下のグラフのように、滑車にかかったロープの両端にボールが吊り下がっているとします。先ほどと同様にロープは分割してあります。
今回も同様に相殺する力を消してみましょう。力の表示形式 と書かれたスライダーを真ん中までスライドさせてください。
ここが先ほどと違う点です。滑車の部分においてロープが丸まってしまっているため、力が相殺されません!滑車方向を向いた力が残ってしまいます。
最終的に、ロープの両端ではボールに上向きに力を与えており、丸まっている場所では滑車に下向きに力を与えています。
厳密に言うと、丸まっている場所の矢印は滑車ではなくロープに与えられる力です。ロープはこの力と滑車から受ける垂直抗力が釣り合って静止します。そして滑車はその反作用を受けますが、これは図示されている力の矢印に等しいです。
ロープの張力を とすると、ボールが受ける力は だとすぐわかりますが、滑車が受ける力はよくわかりません(積分で求める方法もありますが...)。そこで、滑車に接しているロープは滑車の一部であると考えます!グラフ上のスライダーを一番左までスライドしてください。
すると、上の図のように滑車から2本のロープが吊り下げられていると考えることができます!
これであれば、滑車にかかる張力は下向きに であるとわかります。